2007年03月25日

日本の産業カウンセラー

現在殆どの大企業には、従業員の健康管理と
精神的な問題の相談に乗れる保健センターのような施設があり
精神科の医師がそこに待機している場合もあります。
最近の傾向としては、保健センターとは別に
「職員相談室」「カウンセラー室」の設置が増加してきています。
活動としては、従業員の悩みを聞いてそれを解決するための
援助を行なうといったものです。
カウンセラーは、特にカウンセラーとしての専門教育を受けて
いない者(例えば、一度雇用した者や退職した元従業員)を
配置する企業が多いそうです。それは、自社の雰囲気を十分
わかっていた方がカウンセリングしやすいのではないか、
あるいは個人的な相談に乗ることだから、といった考え方から
きているようですね。
しかし、カウンセラーの教育を受けていない者による
カウンセリングでは、「部下と上司の人間関係問題」
「将来の人生設計」などについての対処はできても
情緒障害や神経症の診断治療といった専門分野は
対処できない場合があります。
産業カウンセラーの場合、カウンセリングの全般的な部分を
網羅していますので産業カウンセラーの存在はますます
注目されてきています。


■カウンセリング秘密保持

すでに専門教育を受けたカウンセラーを配置している企業でも、
これから配置しようと考えている企業でも、
カウンセラー室を職場の中に設置するか、もしくは外部に設置するか
といった問題があります。
カウンセリングを受けたいといった従業員が、上司や同僚には
内密でカウンセラー室に行けたほうが良いという配慮もありますし、
何より秘密保持の問題と関連があるからです。
また組織管理上、カウンセラー室や相談室をどの部署の管理下に
置くかという問題もあります。
たとえば、「上司や人事担当者がカウンセリングを受けにきた
従業員の様子を知りたい」と言ってきたケースなどの対応です。
通常では、個人の秘密は一切話さないとうのが最低限のルール
となっていますが、企業サイドにしてみれば「カウンセラー室の
管轄部署長の許可があれば知る権利がある。」ということになるでしょう。
一方従業員側にしてみれば、「秘密を守ってもらえないのではないか・・・」
「人事に絡むので安心して相談にいけない・・・」ということになり
せっかくのカウンセラー室の機能が意味をなさなくなる恐れがあります。
posted by industrial-counselor at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 産業カウンセラーの現況

2007年03月24日

産業カウンセラーへのステップ

厚生労働省認定の公的資格として「産業カウンセラー」の
試験があります。これは社団法人「日本産業カウンセラー協会」が
実施しており、1992年に第1回の試験が行なわれたという
かなり新しい資格です。こうした公的資格がないと産業カウンセラー
として働くことができないわけではありませんが、
職場のメンタルヘルスの援助をするカウンセラーとして、
資格は取得しておきたいものです。
産業カウンセラーを目指すあなた、ぜひ頑張って資格を取得してください。

■試験内容

試験は初級・中級・上級とレベル分けされており、
それぞれ以下のような内容となっています。

・初級:産業カウンセラーに必要な基礎的学識、技能及び一般的な素養。
    一次→筆記・実技・小論文、二次→面接
・中級:専門的学識とカウンセリング経験に基づく技能及び高次の素養。
    一次→筆記・面接テープ及び逐語記録、二次→面接
・上級:高度で広範囲な専門的学識、十分なカウンセリング経験に基づく
    技能や素養。書類審査及び論文審査、面接審査。

合格者には、それぞれ初級・中級・上級産業カウンセラーの称号が
与えられ、合格証書の交付とともにすべての合格者が協会に登録されます。


■資格取得のための受験資格

・初級の受験資格
 (1).大学で心理学または心理学隣接諸科学を専攻し学士の称号を持つ者
(2).産業カウンセラー実務経験5年以上
(3).産業カウンセラー協会の講座を修了した者

・中級の受験資格
 (1).大学で心理学または心理学隣接諸科学を専攻し修士以上の
   称号を持つ者
(2).初級合格後、産業カウンセラー経験5年以上
(3).初級合格後、産業カウンセラー協会の行なう向上訓練を修了して
   3年以上

・上級の受験資格
 (1).大学で心理学または心理学隣接諸科学を専攻し修士の称号を持つ者
(2).初級合格後、産業カウンセラー経験15年以上
(3).中級合格後、産業カウンセラー経験10年以上


■試験免除について

受験資格で、初級=(1)、中級=(1)に該当する場合は筆記試験のすべてが、
上級=(1)に該当する場合は書類審査および論文審査が免除されます。


■試験の実施状況

・初級産業カウンセラー:毎年1回実施、願書締切:9月、一次試験:11月、
            二次試験:12月
・中級産業カウンセラー:2年毎(奇数年)実施、願書締切:11月上旬
            一次試験:1月下旬、二次試験:3月中旬
・上級産業カウンセラー:3年毎実施、願書締切:5月中旬〜下旬
            書類審査及び論文審査:6月〜7月
            面接審査:8月下旬


☆日程、会場は下記日本産業カウンセラー協会へお問い合わせ下さい。

(社)日本産業カウンセラー協会
〒105-0011 東京都港区芝大門1-1-35 大門佐野ビル3階
      Tel.03-3438-4568




 
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2007年03月23日

産業カウンセラーの未来

日本の産業発展において大きな役割を果たしてきた終身雇用制、
年功序列制などが崩壊しつつあり、女性の社会進出や
増加する若者を中心とした離退職などによって
現在の産業界はおおきく様変わりしてきています。

こうした厳しい変化の中、企業としては職場や仕事に対して
不適応を起こす従業員への対処を行ないながら
職場及び個人の能力を健全化・活性化させる方法を
考えていかなくてはなりません。
これからは、産業カウンセラーに対してのニーズがますます
高まっていくものと思われます。

産業カウンセラーは、企業の社員である
(もしくは企業から委嘱を受けた)企業内産業カウンセラーと、
独立した産業カウンセラーに分かれていきます。
企業内産業カウンセラーは、社員・職場の双方にとってプラスに
なる存在であるために、相談活動以外の多面的な活動が重要に
なってきます。また、独立した産業カウンセラーも
さまざまな要請に対しきめ細かく対応できるよう、
各々の得意分野を持って活動できるようになってきています。

このように【企業内】と【独立】のそれぞれの
産業カウンセラーは、企業のニーズを踏まえた形で活動し、
そして広く求められていくものと思われます。
posted by industrial-counselor at 21:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 産業カウンセラーの仕事

2007年03月22日

産業カウンセラーの歴史

産業カウンセラーは、カウンセリングの専門的研究分野においては
比較的新しい分野といえます。
日本には、アメリカ教育審議会に設置された
「SPS(Studennt Personal Service)とカウンセリングを紹介する委員会」の
来日の際に導入されました。
SPSは「厚生補導」「学生助育」ともいいます。
これは学生が有効に教育を受けられるように物質・精神面に
働きかける大学側の活動のことを指します。
本来は学生の人間形成に有効な支援をするというもので、
大学にある学生相談室などもこの活動の一環です。
次に、企業におけるカウンセリングの始まり、すなわち産業カウンセラーの
始まりについて2つの著名な例を紹介します。

1954年に行なわれた主要企業71社についてのアンケート調査によると、
専門の人事相談係のある企業は、日本電信電話公社(現在のNTT)を
含めて9社しかありませんでした。
日本電信電話公社では、近畿電気通信局で1954年から3年間試行した後、
正式に本社が相談係を認知し、全国18局に人事相談室と
専任の人事相談員を配置しました。産業カウンセラーの誕生ですね。

また松下電器産業株式会社では1957年に松下電器共済会を設立する
とともに、相談事務を各事業所・工場の所属共済会事務長に委嘱しました。
しかし、相談役は第三者的立場でないと難しいということから、
各事業所に身上相談室と産業カウンセラーが配置されるようになりました。

現在では、職場の精神的健康を保つためにカウンセリング・ルームを
持っている企業も少なくありません。
部下に対して上司がカウンセリング・マインドを持つことが重要視されて
きているため、部長、課長といった企業幹部の訓練や研修に
カウンセリングを取り入れているところもあります。

精神衛生・人間性・人材の適性配置の問題などを含め、
企業内でもカウンセリングに対する認知度が高まり、
専用の施設などもできるようになってきています。
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2007年03月20日

産業カウンセラーって!?

産業界ではバブル経済崩壊後の長引く不況、
またそれに伴う消費状況の変化にあたり
大きな転換期にさしかかっているといえるでしょう。
多くの企業で、自身の体質改善と基礎体力の強化の必要に迫られ
終身雇用・年功序列の見直し、急速なOA化の推進などが
行なわれてきました。
その中で、職場での人間関係はもちろん
仕事に対するやりがい、OA機器導入などによる職場環境の変化から
家族の健康まで、さまざまなストレスや悩みを抱えながら
働く人々が増えてきました。
そこで企業も、社員個人個人の「精神面での健康」を
注目するようになってきたのです。

そして、企業の大切な財産である従業員を精神面でも
バックアップするという課題が生まれてきました。
そこで登場するのが、「産業カウンセラー」なのです。

産業カウンセラーの仕事は、個人面接による臨床的な
カウンセリングだけではありません。
グループ・家族の面接や心理検査、管理監督者に対する研修などの
啓蒙活動、リサーチ活動など広い分野での行動的な活動が
要求されます。その領域は大きく分けて?
1.相談活動、2.キャリアカウンセリング、3.能力開発の
3つに分けられます。

1.相談活動
この内容には、社員個人がより快適に仕事ができるようにすること、
精神的に調子を崩した人に専門的に対応することの2つがあります。
前者は職場での人間関係や環境の変化などで問題を抱えている人に対し
その解決や自己実現をサポートするためのカウンセリングをするものです。
後者は問題が大きくなりつつある人などに対して、個人のためにも
企業のためにもなるような形で問題が解決するように、
両者を見据えた形でトータルに関わっていきます。

2.キャリアカウンセリング
この活動は、配置転換や転勤などに伴い、その環境にいかに適応し、
いかに成長していくかをメンタルな面からサポートするものです。
本人の適性や自己理解を重視したうえで、さまざまな情報収集を行い
生涯設計プログラムなども活用し、個人個人の新たなキャリアプランを
支えていきます。

3.能力開発
これは、組織内における人間関係や、職業に伴う能力・
自己決定能力などを改善し開発していくものです。
カウンセラーの持つ専門的知識に裏づけられた教育や研修を、
管理者や従業員に対して行なっていきます。

posted by industrial-counselor at 22:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 産業カウンセラーの仕事